毎日忙しすぎて、勉強してる時間なんかないわ
どうやって勉強時間を確保すればいいのかな?
こんにちは。
りかれんとぱーくのナビゲーター、Nikoです。
あなたも毎日忙しすぎて、勉強する時間がない!と焦りを感じていませんか?
- 学び直しを始めたいけど、時間が全然足りない
- 仕事や家事に追われ、気がつけば1日が終わってる
- 時間管理の本を読んでも、何から始めていいかわからない
仕事や家事、育児や介護と、社会人にはやらなければならないことが山積みですよね。
そんな忙しさの中で、勉強の時間を確保するにはどうすればいいのでしょう?
世の中には色々な時間管理のアイデアやテクニックがありますが、基本はとてもシンプル。
次の3つのステップを順番に行う
これだけです
- 優先順位を決める
- スケジュールに入れる
- スケジュール通りに実行する
えーっ? 当たり前すぎー!
そう、その当たり前のことが、実は最強なんです。
ただし、この最強ステップを成功させるには、ちょっとしたコツが要ります。
この記事では、「基本の3ステップ」の具体的な実践方法について解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
- 優先順位を決めるべき理由
- 優先順位の決め方
- 失敗しないスケジュールのコツ
では始めましょう。
STEP1 優先順位を決める
なぜ優先順位を決める必要があるのか
社会人が勉強時間を確保するために、なぜ優先順位を決める必要があるのでしょう。
理由は2つあります。
- 社会人の勉強は最優先されにくい
- 社会人に時間が余ることはない
具体的に見ていきましょう。
社会人の勉強は最優先されにくい
家族や友人との付き合いを断りたいとき、「仕事があるから」は堂々と言えますよね。
でも「勉強があるから」とはなかなか言いづらくないですか?
学生とは違い、社会人の勉強は世間的にはあくまでも余暇の位置づけです。
「簿記2級を取る!」など、あなたが目標を宣言していれば勉強も理由にできますが、「まだ周囲に宣言するのはちょっとなぁ」というときもあります。
だからせめて自分の中では、しっかり意識して優先順位を上げていく必要があるのです。
社会人に時間が余ることはない
「お金が余ったら貯金しよう」と思っている人はなかなか貯金できませんよね。
貯金の優先順位が低いからです。
時間の場合は1日24時間という絶対的な上限があるため、さらにシビアです。
しかも社会人には仕事や家事だけでなく、様々な時間浪費の誘惑もあります。
勉強時間を確保するためには、天引き貯金のように時間を先取りするしかありません。
「時間管理の本質を一言で言うなら『優先順位をつけ、それを実行する』に尽きる」
『完訳 7つの習慣』(キングベアー出版)
実際の優先順位を確認する
大事なことはいつも後回し
勉強の時間を確保するためには、とにかく優先順位を上げることが重要。
ところが「勉強が最優先事項!」と決めても、それだけでは実際の順位は変わりません。
なぜなら、勉強は最優先事項ではあっても、緊急の課題ではないからです。
これはどういうことでしょう。
最優先事項は誰にとっても、人生でいちばん大事だと考えていることです。
- かなえたい夢や目標のための準備
- 大切な人と過ごすこと
- 健康管理や体づくり
などがその候補でしょう。
勉強は「かなえたい夢や目標のための準備」ですから、当然最優先事項ですよね。
ところが現実には、急ぎの用事に追われて、最優先すべきことが後回しになりがちです。
私自身もそうでした。
資格取得を目指した時も、優先順位は「仕事」⇒「家事・急ぎの雑用」⇒「勉強」の順。
試験の1週間前になっていよいよお尻に火が付き、家事を9割放棄せざるを得なくなった記憶があります。
あなたにも思い当たることはありませんか?
資格試験が迫っている状態でもない限り、勉強はつねに先送りの被害者です。
いちばん大切なことなのに、いちばん後回しというのは悲しすぎますよね。
やるべきことを4つに分類する
この人類共通の悩みに手を差し伸べてくれるのが「アイゼンハワーマトリクス」です。
アイゼンハワーマトリクスとは、やるべきことを4つの領域にわけて処理する、時間管理の手法。
時間管理の達人と言われた第34代アメリカ大統領、ドワイト・D・アイゼンハワーの
「最も急ぎの決断を求められることが、最も重要であることは滅多にない」
という言葉からきています。
ビジネスでも有名なフレームワークなので、すでに活用しているという方もいらっしゃるでしょう。
先に引用した『7つの習慣』でも、「時間管理のマトリックス」としてこの考え方が紹介されています。
- 第1の領域
緊急かつ重要なこと - 第2の領域
緊急ではないが重要なこと - 第3の領域
緊急だが重要ではないこと - 第4の領域
緊急でも重要でもないこと
あなたが使っている時間はすべて、この4つの領域のどこかに分類されます。
下図の事例を参考に、毎日どの領域に多く時間を使っているか考えてみてください。
毎日が第1領域「緊急かつ重要なこと」の連続で疲れ切っていませんか?
図にはありませんが、家事や育児の多くは声高に第1領域を主張してきますよね。
そのストレスから「緊急でも重要でもない」第4領域に逃げ込んでいませんか?
もちろん、本当に「緊急かつ重要なこと」にはすぐに対処しなければなりません。
けれども「人生」という長期的な視点で考えるとき、最優先すべきは第2領域の「緊急ではないが重要なこと」です。
第2領域と向き合う時間を作るためには、今まで自動的に第1領域で処理していたタスクが本当に緊急かつ重要か、見直してみる必要があります。
アイゼンハワーマトリクスのポイントは、第2領域にフォーカスすること。
第2領域を優先的に実行することで、その他の領域をコントロールできるのです。
- 第2領域の「緊急ではないが重要なこと」にフォーカスする
次項では第2領域の課題にフォーカスする方法について見ていきましょう。
STEP2 スケジュールに入れる
To Doリストの4割は決して終わらない
To Do リストを日常的に使っている方は多いと思います。
やるべきことをリストアップし、実行済みはチェックしたり消したりしていくアレですね。
実行したタスクを線で消し込むとき、脳内には快感ホルモンが放出されるそうです。
確かに「一つ片付けた!」という達成感で、かなり気持ちがいいですよね。
ところが、「To Do リストを作るだけではダメ」という意見もよく見聞きします。
『1440分の使い方』ケビン・クルーズ(パンローリング出版)でも、To Do リストの問題点に言及しています。
主な理由は
- 重要なタスクより簡単なタスクから実行してしまう
- 実行しにくいタスクはいつまでも残る
- 未完了のタスクが気になり、ストレスとなる
なるほど、そう言われれば思い当たることばかり…
同書では「To Doリストの項目の41%は決して終わらない」という研究結果も紹介しています。
Bailey Adams 「The Busy Person’s Guide to the Done Listーchapter1 ”Why To-Do Lists Disappoint and Overwhelm”」
私は「不要品の整理をする」というザックリとしたタスクを、何年間もTo Do リストの先頭に書き続けていました。
確かに、消せないリストを目にするだけですごいストレスになっていた気がします。
これは未完了のことが気になってしまう「ツァイガルニク効果」という心理状態です。
とは言え、簡単には片付けられないからいつまでもリストに残っているわけです。
ハードルの高いタスクを何とか早めにクリアする方法はないのでしょうか。
人生の最優先事項をスケジュールに入れる
ご安心ください。あるのです。
それが、スケジュールに入れるという方法です。
日時を決めるだけでストレスが減る
たとえば、ずっと気になっていた歯科検診。
予約を入れただけでホッとした経験はありませんか?
まだ何も終わっていないのにです。
そして予約した日時には、よほどの急用がない限り歯医者に行きますよね。
それを考えると、日時を決めるだけで半分終わったも同じです。
勉強時間は基本的に自分との約束なので、歯医者の予約ほどの拘束力はないかもしれません。
しかし日時を決めて書き込んでおけば、To Doリストよりは実行する確率が上がります。
前出の『1440分の使い方』では、日時を決めてスケジュールに入れるだけでツァイガルニク効果から解放され、達成の確率が上がるという研究報告を紹介しています。
スケジュール帳を吟味する
社会人なら手帳やアプリでスケジュール管理をしている人は多いでしょう。
第1の領域(事前にわかれば)や第3の領域の予定はしっかり書き込まれてますよね。
今後は第2領域=人生の最優先事項の予定をまず最初に書き込んでいく。
それだけです。
手帳にはフランクリンプランナーのような、優先順位を決めて予定を立てられるものもあります。
フランクリンプランナーはオンラインで管理できるWeb版も出ています。
スケジュール管理アプリも今は優れたものがたくさんありますが、おススメはシンプルにGoogleカレンダーです。
「色々試したが一周回ってこれに落ち着いた」という人も多いのではないでしょうか。
予定が近づいたらスマホの待ち受け画面に時間とタスク名をダイレクトに表示させる設定ができるので、「やらなきゃ!」という強制力になってくれます。
Googleカレンダーを使ったスケジュール管理については、別記事で紹介していきたいと思います。
また、デジタルリテラシーの高い人でも、スケジュールだけは手帳を使っているという人は少なくありません。
手帳は自分に合ったものを使うのがいちばんですが、常に手元に置いたり持ち歩いたりするためにも、愛着を持てるものがいいですね。
中身の使いやすさはもちろん、大きさや重さ、手触りや色あいなども大事な要素です。
愛着が持てるスケジュール帳は、色々試してみないと出会えないこともあります。
手帳はあなたのAnother Brain。
じっくり吟味して選びましょう!
私はGoogleカレンダーと並行して、ロディアのバレットジャーナル用ノートにアイゼンハワーマトリクスを取り入れながら、自分流にアレンジして使っています。
バレットジャーナルは商品名ではなく、日記とスケジュール帳を合わせたような「ノート術」です。
ロイヒトトゥルムやロディアなどから専用のノートも販売されていますが、基本は無地や方眼のノートから自分で作ります。
デザインに凝る人が多いので女性向けのノート術のように思われがちですが、モレスキンやロルバーンなどのシンプルなノートを使って作るものは大人の男性にも人気です。
そしてなんと、何年も私のTo Doリストの先頭にあった「不要品を整理する」というタスクを、今年の連休に7割方実行することができました!
意を決してバレットジャーナルのスケジュールに書き込んだ成果です。
それでもまだ7割!?なのがツライところですが(苦笑)。
STEP3 スケジュール通りに実行する
失敗しないスケジュールを立てるコツ
「第2領域の予定をできる限り優先的に書き込んでいくだけ」と書きましたが、ハードルの高いタスクをスケジュールに入れるには、やっぱりちょっと勇気が要りますよね。
予定に入れるからには「実行する」という覚悟が迫られるからです。
予定通り実行できなかったときは落ち込むだろうな、というのも予想できます。
勇気を出してスケジュールに入れても、やっぱり実行できないこともあります。
そこで、失敗しないスケジュールを立てるコツをおさえておきましょう。
1 大きな課題はブレイクダウンする
大きな課題やハードルの高いタスクは、そのままではスケジュールに落とし込めません。
いわゆる「何から手をつけていいかわからない」ような状態だと、作業時間の見積もりもできないからです。
その場合は、手順を考えながらブレイクダウン(小さなステップに分解)する必要があります。
たとえば、「英語を学び直す」というタスクでは大きすぎますよね。
「まず目標を決めるのが大事」という考え方もありますが、それ以前の段階でもOKですよ。(理由はこの後で説明します)
英語の学び直しについて思いつくものをリストアップし、ざっくりと順序を決めます。
- 勉強方法に関するネット記事を読む
- 参考になりそうな本を探す
- YouTube動画を見る
- アプリを比較検討する
- 無料オンライン講座を探す
- 有料講座やスクールを比較検討する
「ネット記事を読む」だけなら、仕事帰りの電車の中でもできます。
でもふだんはついついSNSなどを見てしまったりしていませんか?
明日のスケジュールに「18:15 英語勉強の記事をチェック」と書き込みましょう。
さらに「20:30~21:00 amazonで英語の本を探す」
週末のスケジュールには「10:00~11:00 YouTubeで英語勉強の動画」と入れます。
スケジュールに入れる順番は、ハードルの低そうなものからでかまいません。
最初は明確な目標がなくても、何となく「英語、勉強し直しといたほうがいいよな」ぐらいでもいいのです。
情報収集を計画的に、着実に進め、色々な人の経験談や発言に触れていくうちに、自分の目標が少しずつ見えてきます。
そこからは自分の目標を意識しながら、アプリやオンライン講座などの比較検討をスケジュールに入れていくといいでしょう。
と、ここまで紹介したのはもちろんチャンクダウンのサンプルです。
「英語の学び直し」なら必ずこの方法ということではありません。
学び直したい分野によっても違うので、自分のブレイクダウンの方法を自由に考えてみてください。
私も「不要品を整理する」というザックリとしたタスクをブレイクダウンしました。
①はスキマ時間に、②や③はお茶を飲みながらでもできます。
実際に体を動かしての作業は④からなので、ぐっと取りかかりやすくなりました。
- 不要品候補の種類を確認する
(衣類、本、書類、電子機器、雑貨、写真、雑貨など) - 処分法を確認する(自治体の回収方法、その他の処分方法)
- 手順を考える(どの種類から始めるか、どの作業から始めるか)
- 要・不要を選別する
- 回収の予約や申し込みをする
- 回収日に処分する
考えただけで圧倒されそうな大仕事も、小さく分解することで実行しやすくなります。
「象を食べるなら一口ずつ」というアフリカの格言は、時間管理にも当てはまるようですね。
2 タスクにかかる時間は多めに見積もる
予定を立てるときは、この時間内で終わらせたい!という理想に傾きがちですが、実際は見積もりより時間がかかることがほとんどです。
これについては、ノーベル経済学賞を受賞した認知心理学者ダニエル・カーネマンの「計画の錯誤」ということばが有名です。
人は楽観バイアスによって「ベストケースシナリオ」を描きがちだというのです。
著書の『ファースト&スロー』(早川書房)では、チームを組んでイスラエルの高校の教科書を執筆したときのエピソードが紹介されています。
計画の当初は完成までを2年前後と予想したのに対して、実際は8年!もかかったのです。
計画は余裕を持って立てましょう。
歯医者の予約だと思って実行する
課題をブレイクダウンし、時間を多めに見積もってスケジュールに入れました。
あとはとにかく実行あるのみです。
ここが間違いなくラスボスですよね。
でも、歯科検診の話を思い出してください。
『1440分の使い方』では、自分で決めた予定も診察の予約だと思って対処することを提言しています。
たとえば、報告書を書くと決めた時間に、同僚から相談で15分くれと頼まれたら、何とか時間調整しようとしてしまいませんか?
しかし、著者のケビン・クルーズは言います。
「これが報告書の作成ではなく、病院や歯医者の予約だったとしたらどうだろう? その時間を同僚に譲って、15分遅れで診察室に現れるだろうか?」
「予定があるから」ときっぱり断って、他の時間にできないか提案してみましょう。
スケジュール帳に書き込んであれば、自分だけの都合でも立派な予定です。
もちろん、自分自身からの誘惑に対しても、同じぐらい厳密に対処するのは当然ですよね。
あ、これが本当のラスボスかもしれません。
このラスボスとの闘い方はまた別の機会に。
「問題は時間を管理することではなく、自分自身を管理すること」
『完訳 7つの習慣』(キングベアー出版)
まとめ
この記事では以下の内容について解説しました。
- 社会人の勉強時間は先取りで確保するしかない
- マトリクスの4つの領域で優先順位を確認する
- 人生の最優先事項をスケジュールに入れる
- 日時を決めればストレスが減り、実行の確率が上がる
- スケジュール帳を吟味する
- 大きな課題はブレイクダウンする
- タスクにかかる時間は多めに見積もる
- 歯医者の予約だと思って実行する